機能紙研究会法人化の経緯

 

 発足当初より産官学の学術研究団体として活動してきた機能紙研究会は、会員が常時300名程度の規模になり、法人格の取得に迫られるようになった。これは、任意団体では、その代表者の個人名義で銀行口座の開設や不動産の登記を行う必要があり、法律行為の責任は代表者個人が行うこととなるため、万一の場合には、個人に過大な負担がかかる恐れがあり、法人格の取得が急務となっていた。併せて、特に行政機関から参加する場合には、活動内容が重要なものであっても、任意団体では仲良しクラブ的に見られる場合があり、安定成長期に入り行財政改革が進展する中、ますます法人格を持たない機関が開催・運営する講演会等への参加が難しくなりつつあった。加えて、行政機関の援助・補助といった支援を申請する場合においても、任意団体では同様の見方をされていた。
 平成9年、当会の活動内容から公益法人(社団法人)格の取得を検討したが、全国規模の法人の場合、予算総額5,000万円程度が必要条件であり、当会の現状では断念せざるを得なかった。その後、当会の事業活動を活発にすべく種々検討したが、必要条件を満たすまでに至らず数年が経過した。

 平成13年、民間団体が非営利の法人格を取得する手段が民法34条による以外にないため、極めて多くの業界団体などが公益法人となっている等の理由から中間法人法が成立し、当会においても中間法人として法人格を取得する検討に入った。しかしながら、中間法人は、非公益かつ非営利目的の団体として同窓会や同好会に対して法人格の付与を主眼に置いたものであり、税制等の恩典もなく、ただ、法人格の取得を目指すものであったため、断念した。

同時に平成10年に成立した特定非営利活動促進法に基づく特定非営利活動法人(いわゆるNPO法人)について、検討した。これは、民間の非営利団体のための法律であり、当会の目的である機能紙の製造技術・加工技術の研究開発に寄与し、普及向上を図ることに合致し、その活動分野も社会教育の推進・文化の振興・環境の保全・国際協力という特定分野に合致するため、設立申請に向けて行動を開始した。

以下は、法人設立までの流れである。

 平成14年6月14日 役員会にて特定非営利活動法人設立作業の開始を決定。

      11月7日 特定非営利活動法人機能紙研究会の設立総会を開催し、設立意思を決定。

          12月26日 所轄庁である愛媛県に設立認証申請書を提出、受理される。

 平成15年3月17日 愛媛県より特定非営利活動法人設立が認証される。

      3月20日 法務局に特定非営利活動法人の設立登記を申請し、設立完了した。

      3月25日 愛媛県に設立登記完了を届け出た。